【今週の仕組みアップデート】「うちは5%の方ですか?」— 中小企業のAIツール、使えてる?使えてない?を3ステップで棚卸しする
担当ライター: ケン(仕組みのケン)
投稿曜日: 水曜日
参照元: 日本企業の生成AI導入状況|現状と課題・事例11選(Taskhub 2025) / 月額数百円で業務自動化を実現 ― 中小企業向け生成AI活用支援の成果を公開(PRTimes 2025) / 中小企業のデジタルシフト・DX実態調査2025(BCN+R)
こんにちは、ケンです。水曜日です。今週も仕組みを一つアップデートしましょう。
「生成AIって、中小企業でも本当に使えるの?」……というのが今週のテーマです。
ChatGPT、Claude、Copilot、Notion AI——気づいたら名前だけ知っているAIツールが5つくらい増えていませんか。「とりあえず契約だけした」「使ったのは最初の1週間だけ」……そういう話、もっとあっていいんじゃないかと思うんですが、なかなか正直に言いづらいですよね?
正直に言います。ぼく自身も去年、Notionにチーム業務を全部移行しようとして2週間で挫折しました。 UIは好きだったんです。でもチームの誰も使わなかった。結局みんなLINEとExcelに戻ってきて、Notionのボードだけがきれいなまま残った。ツールのせいじゃなくて、「使われ方の設計」をしていなかった自分のせいです、はい。
そういう失敗を経てたどり着いた結論が「最新のITより使い続けるITが大事」なんですが、今週はそれを3ステップで確認する方法をお伝えします。
で、どういうこと?
Taskhubの調査(2025年)によると、日本企業のうち生成AIを本格導入した企業はわずか7.3%。中小企業に絞るとさらに下がって、約5%しか実際に使いこなせていないそうです。中国(81.2%)やアメリカ(68.8%)と比べると……えー、そんなに差があるんですね。
一方、BCN+Rの中小企業DX実態調査(2025年)によれば、何らかのITに取り組んでいる企業は82.3%まで増えています。つまり「導入はしてるけど定着していない」という中間地帯が広大にあるわけです。
ゲームで言うと、チュートリアルは終わったけどメインストーリーに入れていないプレイヤーが大量にいる状態です。パッケージ開けて満足してる感じ。そのまま積みゲーになるやつ。
課題として最も多く挙がっているのが「コスト負担(31.9%)」「人材確保(31.0%)」「ITスキル不足(26.4%)」の三つ。人材確保できていないが60%以上、「一部成果あり」は63.5%という、「なんかうまくいってるような、そうでもないような」モヤッとした数字が並んでいます。
ツールを入れたことで満足してしまって、「使い続ける」ところまで設計できていない——これが本当の課題だとぼくは思っています。
今週確認すること:3ステップで「AIツール棚卸し」をやってみる
ステップ1:今、何のツールを契約しているか書き出す
まずは「うちで今使っているAIツール一覧」を作ってください。社員に聞くと意外と「自分で契約してた」というものが出てきます。部門ごとに別のAI契約をしているケースもよくあります。
ゲームで言うと、ステルス系ゲームの「見えない敵の位置確認」みたいな作業です。どこに何があるかわからないまま戦っていても勝てません。ツール名・月額・誰が使っているか・何に使っているか、の4列でよいのでスプレッドシートに書き出す。これだけで「実は全然使われていないツールに毎月1万円」みたいな発見が出てきます。
この棚卸し作業、地味なんですが個人的にけっこう好きです。「えっ、これまだ契約してたの」「誰これ使ってたの」みたいな発見が楽しい。宝探しのような、あるいは不用品整理のような。どっちとも言えますね。
ステップ2:「一週間に何回開いたか」を確認する
ちょっと正直に答えてみてください。あなたが一番「使えてる」と思っているAIツール、今週何回開きましたか?
定着率のいちばん正直な指標は、ログイン頻度です。使いこなせているツールは自然と週3回以上開かれます。月に1回しか開いていないツールは、正直もう定着していないと考えた方がいいです。ぼくのNotionがそうでした。週0回でした。
PRTimesで紹介されていた建設業の事例が面白くて、Google Apps Script(無料)+Google Gemini API(PDF解析1件あたり数円)の組み合わせで月額数百円の業務自動化を実現していました。ソソられますよね。「高機能なAIツールをたくさん入れる」より「毎日使う1つの仕組みを作る」の方が、圧倒的に効果が出るケースが多い。
ツッコミどころはあります。GASとAPIの連携は多少技術的な知識が必要で、「誰でも明日からできます」はさすがに言えません。担当者がいないと詰まります。でも——そのツッコミを承知の上でも「月数百円で毎日の転記作業がなくなる」は試す価値のあるアプローチじゃないでしょうか。これがケンの愛嬌ということで。
ステップ3:「続けるか・変えるか・やめるか」を一行で決める
各ツールについて、「続ける/使い方を変える/解約する」を一行で判断します。考え方のポイントは三つ。
UIが直感的か? 説明書なしに新入社員が使えるか、で判断するのが一番楽です。ゲームのチュートリアルが長すぎるゲームは大体最後まで遊ばれません。操作が複雑なツールは現場に定着しません。ぼくはここがものすごく気になる性質です。「このUIはないだろ」と思ったツールは、いくら機能が良くても使ってもらえない。ゲーマーとしての直感がそう言っています。
チームの誰かがファンになっているか? 社内に一人でも「これ便利!」と言って使い続けている人がいるツールは、伸びる余地があります。逆に誰もそう言わないなら、それは機能ではなく「使われ方の設計」が足りていない可能性が高い。
コストは「使った量」に比例しているか? 月額固定で誰も使っていないなら損失。従量課金で少しずつ使えているなら伸ばす余地があります。
まとめ
1. 今契約中のAIツール一覧を作る — 知らないうちに増えている、見えない出費を把握する
2. 週あたりのログイン回数を確認する — 定着率の正直な指標は頻度、月1回は「定着」ではない
3. 「続ける・変える・やめる」を一言で決める — UIの直感性・社内ファンの有無・コスト構造で判断
参考までに数字をまとめると:生成AI本格導入済みは日本の中小企業で5%程度、DXに「一部でも成果あり」は80%、人材確保に苦慮しているは60%以上。この数字を見ると、「入れること」より「使い続けること」の設計にこそ、まだまだ伸びしろがあるのがわかると思います。
使い続けられる仕組みだけが、本物の改善です。ぼくはそれを探し続けるのがけっこう楽しい。失敗しながらも。
今週一つだけ聞かせてください——あなたのチームで「週3回以上開いているツール」って、何個ありますか?
*次週水曜日も仕組みアップデートをお届けします。*
今回紹介した内容でお困りのことやお手伝いできることがあればいつでもオモシロインクにご相談ください。
ライタープロフィール
!ケン
仕組みのケン(DX推進リード)
「最新のITより使い続けるITが大事」を信条に、中小企業が本当に使いこなせるシステムだけを提案する元SIer。Excelを愛しつつExcelを卒業させる専門家。操作のUXにやたらこだわる。ゲーマーだから。
📅 担当: 毎週水曜日「今週の仕組みアップデート」
